原田マハ著『風神雷神』があまりに面白かったので、SNSでこの小説について検索していたら、同時代の絵師の小説と言うことで『墨龍賦』を紹介されている方がいらして選びました。
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京都・建仁寺の「雲龍図」を描いた海北友松の生涯を描いた小説です。
海北友松(かいほうゆうしょう)と言う方をお恥ずかしながら存じませんでしたが、絵はかなり有名で、見たことがある気がします。
前半は歴史小説らしく、登場人物が多すぎるのと、いちいち漢字の読み方がわからないのでなかなか読むのに苦労しました。が。読み進めていくと、非常にコミカルというか、タッチが軽快で読みやすく、面白いのです。
狩野永徳に師事した絵師なので、作中には狩野永徳も登場するのですが、原田マハの風神雷神の永徳とまた少し違う角度で、長い年月をかけて描かれているのも面白いです。
恵瓊(えけい)とのやりとりがまたなんとも面白く、思わず笑ってしまうような場面もたくさんありました。
昨年夏に、建仁寺では特別拝観が行われていたのですが、門前まで行って拝観しなかったことを後悔するために読まされたのかと思う程に、今すぐにでも建仁寺に行って、友松の作品を拝見したくなる小説です。
こちらも是非、読んでみてください(*´ω`)