hakolove2の日記

アラフォー独女の悪あがき

吉田修一著『国宝』を読んで。

SNSのストーリーズで、この本を激押ししていたのを見かけて手に取ってみました。

極道の世界から歌舞伎の道を進むことになった喜久雄と、歌舞伎の家に生まれ、一度は道を外れようとしたけれど外れられなかった俊介。歌舞伎に取りつかれた2人の物語です。

 

『国宝』というタイトルだけを見て抱いたイメージとはだいぶかけ離れた内容で、最初こそ戸惑いました。それが、歌舞伎調の語り口と、頭に浮かぶイメージの鮮やかさにみるみるうちに引き込まれ、あっという間に上・下巻読み終わってしまいました。

 

ここ数年は行っていませんが、けっこう好きで歌舞伎を観劇していた頃があります。なので、歌舞伎の舞台の華やかさ、煌びやかさ、声の響きや客席の静けさ、常連の大向う等知っています。だからこの作品の場面が映像として浮かんで、音が聞こえてきたのかもしれませんし、この作品を十二分に堪能できた理由の1つだったかもしれません。

 

歌舞伎の舞台のシーンに感動したのはさることながら、それ以外のすべての場面で胸に熱いものがこみ上げてくるような、本当にのめり込む小説でした。。

 

おススメです。