hakolove2の日記

アラフォー独女の悪あがき

上橋菜穂子著『鹿の王』を読んで。

「何か小説を1冊持ってきて」と母にお願いしたら、この1巻を渡されました。
さっそく読みます。

 

入口はファンタジーですが、ある感染症に翻弄される人々が描かれています。
コロナが流行する前に出版されている物語です。まるで、予言したかのような内容です。

まだ「ワクチン」という概念がない世界に、ワクチンを作り病気と闘おうとする医師。人々を守りたいという純粋な思いの裏に、ワクチンの効果を実験したいという思惑。

感染したことにより、人格の変化を引き起こした主人公。

感染で死ぬ人々。ワクチンは無いなりに、症状を緩和させようと画策する人。ワクチンを受け入れられる人、受け入れられない人。免疫力。

感染症を悪用しようとする人。国を追われたことによって生まれる憎悪。緩和ケア。

とにかく生にまつわる、起こりうる状況が、ファンタジーを混ぜ合わせて優しく面白く描かれています。
時に人の愛と。

4巻ありますが、あっという間に読み終わりました。
最後にはちょっと感動して泣いてしまいました。

お時間ある際に是非。