NHKの「映像の世紀」という番組が結構好きで、1995年に放送された回を続けて見ていく中で出会った映画です。
番組は、第一次世界大戦の戦い方の変化を主に特集していたのですが、その中で「ウィストン・チャーチル」が出てきて、有名だけどあんまり知らないな~?と思う所から調べ始めたら、この映画にたどり着きました。
チャーチルは第二次世界大戦中にイギリスの首相になった方です。
実際それ以上のことをあまり知りませんでしたw
かなりの偏屈ジジイ(失礼)なんだけど、若い新人の秘書を泣かせて奥さんに怒られたり、人との関わりの中で少しずつ変化して行く姿が印象的でした。変わるってなかなか難しいじゃないですか。
「気も変えられないやつが国を変えられるか」というセリフがあるのですが、まさにそういうことなんでしょうか。(この辺はもしかしたらフィクションかもしれないけど)
実際、けっこう重いセリフ。人生も同じですよね。この言葉を胸に刻むことにしました。
この映画の中で、どう気が変わったかと言うと、「イギリスはイタリアと和平交渉をし、ヒトラーの傀儡になるか、イギリスとして戦い、国を守るか」という間で悩み、なんとなく押されて最初は前者を選択しようとします。それを、王様の助言で街に出て、市民の声を聞くという手段をとることで、最終的に、イギリスはイギリスとして戦い、ヒトラーの傀儡にはならない!と決めるのです。
この時のチャーチルの、首相としての判断力には感動しました。
国をどう導くかっていうのは、その時その時で本当に難しい判断を迫られるのでしょう。ナウなイギリスの状態だけで判断するのではなく、将来を俯瞰してどうしたら良いか決断できる、まさにリーダーという感じです。
「死は遅かれ早かれやってくる」的なセリフがあって。この作中では、闘わないという選択(ヒトラーの傀儡)は死を遅くするが、イギリスを守るために戦うとなれば、戦いで命を落とす可能性も十分にあるという意味だと思います。
今の日本で呑気に生活していれば考えることもないような発想ですが。ウクライナの攻防はこれに近いものがあるのかなと考えたり。
「聞く力」があって、寄り添って「決断する」首相への憧れの気持ちを抱いてみたり。
偶然だけど、今の世相を色々反映している映画でした。
このタイミングで観れて良かったです。
ウィンストン・チャーチルの描き方がとても上手で、思わず声を出して笑ってしまうシーンもありましたし、話もうまくまとまってわかりやすく、良い映画でした。